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There Is No Game Wrong Dimension 【ぜあ いず のーげーむ ろぉーんでぃめんしょん】 ジャンル アドベンチャー 対応機種 Windows/Mac OS(Steam)iOS 10.0以降Android 5.1以上Nintendo Switch メディア ダウンロード専売 発売・開発元 Draw Me A Pixel 発売日 【Steam】2020年8月6日【iOS/Android】2020年12月17日【Switch】2021年12月16日 定価 【Steam】1,320円(税込)【iOS】610円(税込)【Android】650円(税込)【Switch】1,670円(税込) レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 バカゲー ポイント メタネタ・パロディだらけのADV 概要 特徴 評価点・おバカな点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 フランスのインディーデベロッパーDraw Me A Pixelから発売されたゲーム。 Steam版は当初日本語に非対応だったが、2021年12月16日の日本でのSwitch版の発売に伴い、Steam版も日本語に公式対応した。 iOS/Android版は『There Is No Game WD』のタイトルで配信され、2022年1月3日に日本語に対応した。 特徴 基本的なシステムはポイント&クリック式のアドベンチャーゲーム。 プレイヤーは「ユーザー」と呼ばれ「プログラム(ゲーム(*1))」と会話をしていき、ストーリーを進めていく。 全体の流れとしては「序盤:プログラムVSユーザーの1対1の戦い」、「中盤:第三勢力によってバグまみれになった他ゲーム世界(=Wrong Dimension)をプログラム&ユーザーが呉越同舟で救っていく旅」、「終盤:第三勢力とプログラム&ユーザーの最終決戦」の三段構成となっている。 評価点・おバカな点 プログラムがユーザーに対して話しかけてくるなどメタ要素が多く、全体的にコメディチックな雰囲気となっている。 最初はプログラムは「There Is No Game!(ここにはゲームはない)」と言い張り、ユーザーに対して「あれをするな」「これに触るな」など、完全にダチョウ俱楽部のノリで止めてくるので、プレイヤーも自然と色々と弄りたくなるような入りになっている。 時折、実在人物の名前や版権作品のキャラの名前を出したりと、中々ふざけた台詞を話してくる。 ほぼフルボイスの名演技 レトロゲームの「ポポポ」系のセリフには意図的に声がついていないが、それ以外の作中会話は全てがフルボイスである。特に主役のプログラム役のパスカル・キャミソット氏(=開発者)による長丁場のノリツッコミや一人二役芝居はまるで専業のプロ声優なのかと錯覚するほどのクオリティ。とある場面で日本語で「ゲームガアリマセーン!」と叫ぶ邦人など、モブキャラにも声がきちんと充てられており、耳と目で楽しめるようになっている。 1本のゲームで複数のゲームを遊んだ気になれる満足感 「バグありゲームを直してクリアに導く」という中盤の展開ゆえに、さまざまなUIのゲーム画面が乱れ飛びつつも何度も「めでたし・めでたし」が訪れる。どのゲーム画面もしっかりと作りこまれており、複数のゲームをクリアした気分に浸れるお得感がある。 ストーリーも進めるにつれて突拍子も無い闇鍋のような展開になっていく。 + カオスなストーリーの詳細、ネタバレ注意。 とあるチャプターではプログラム曰くRPG風の世界観に飛ばされてしまうが、この世界のUIならびにアイテム類・ゲーム性がどう見ても『ゼルダの伝説』のパロディ。 直後のチャプターでは直前のゼルダ風の世界観でF2Pゲーム(*2)に飛ばされてしまう。 広告がやたらと多い、スタミナ制のシステム、ルートボックス(いわゆるガチャ)があるなど、F2Pの闇をごちゃ混ぜしたかのような世界となっている。プログラム自身もF2Pの世界は最悪だと言う始末。 しかも、その広告はどこかで見たようなゲームの露骨なパロディネタになっている。海外産のゲームなので、日本人には若干マイナーなゲームのネタもあるが。 + 最終盤に至っては……? なんとプログラムの作者が実写映像で登場する。 冒頭からメタ発言・メタ演出が大量に出てくる本作でしか許されない芸当と言えるだろう。 終盤のストーリー自体は「悪のプログラムが現実世界に大混乱を引き起こす」という展開なのだが、それを人間が一人芝居で表現している(*3)ので、人によってはシュールな絵面に映るかもしれない。 笑いの中にも涙あり、の絶妙な緩急 常にコメディチックな雰囲気に包まれた作品であるが、所々でシリアスな伏線が違和感なく挿入される。 + 終盤のどんでん返しに関するネタバレ注意 プログラム本人が序盤から「There is No Game!(ここにゲームはない!)」と主張し続ける真意が、「There is “No Game”...(ここにある俺はゲームの出来損ないだ...)」という自責の念だったことが終盤に判明する。この伏線は序盤・中盤のそこかしこに「英語が特定の言語訛り」「特定の単語で言いよどむ」など絶妙な違和感としてプレイヤーに提示されていたものであり、終盤で伏線回収されるカタルシスへと巧妙に誘導している。 シリアスを挟みつつもアンサーはコメディ交じりのもので、おバカなノリを損なうこともない絶妙さ。 愛嬌のあるキャラクター達 相棒である「プログラム」をはじめとして、敵味方全てのキャラクターがおバカで人間臭い性格をしている。トンチンカンな迷探偵やマイペースすぎる勇者、アクの強い他国籍ゲーム達など皆ハタ迷惑なのに憎めない愛嬌がある。 賛否両論点 謎解きが難しい。 基本的にメタ的な視点でプレイする都合上、「その発想があったのか!?」と思うような奇想天外な解き方が多いので、謎解きの難易度はやや高め。その分意外性はあるのだが。 幸いにもヒントや答えを見ることができる機能が搭載されているため、答えがわからなくて詰まることはない。 常に「画面を観察すること」が求められるが、それがUIを含むあらゆる場所であるため、小さめの画面やコントラストが弱めの環境でプレイすると難易度が上がる場面が少なくない。(*4) 問題点 アクション性の高いプレイを要求されることが多い。 アクション性が高いこと自体は問題ではなく、問題なのは操作性。基本的にポイント&クリックで操作するため、思うように操作しづらい。 「ポイント&クリック」と言いつつ、ドラッグ&ドロップ操作が必要となる場面の方が多いのも難点。PCでマウス操作する分には気にならなくとも、コンソール機でコントローラ操作する場合はそれだけで難易度が上がってしまう。 カーソルを高速で動かせないSwitch版では、なおさら難しい。 例を挙げると特定のタイミングでアイテムを使用したり、手際よくアイテムを使用する場面があるなど、ポイント&クリックの操作性では若干難しい操作が入ることが多い。 とはいえ、ゲームオーバーやバッドエンドというものはないので、そこまでストレスの溜まるものではないが。 総評 ゲームシステム自体は昔ながらのポイント&クリック式のアドベンチャーであり、システム面において革新的な部分があるわけではないが、本作の魅力はそこではない。 本作の一番の魅力はプレイヤーを笑わせるための豊富なメタ演出やギャグシーンの数々によって、笑わせて楽しませてくれることなのである。 比較的価格も安く、謎解きがわからない場合の救済措置も搭載されているため、興味があれば購入を検討してもらいたい。 余談 本作は2015年に行われたゲームジャムにおいて開発された『There Is No Game』という作品が元となっている。 この元となった作品は、日本語は未対応だが、Steamにて無料配信されている。
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ララ・クロフト トゥームレイダー 美しき逃亡者 【らら くろふと とぅーむれいだー うつくしきとうぼうしゃ】 ジャンル アクションアドベンチャー 対応機種 プレイステーション2Windows 98/2000/XPMac OS X 発売元 アイドスインタラクティブ 開発元 Core Design 発売日 2003年10月23日 定価(税別) 【Win】7,980円【PS2】6,980円 レーティング CERO 15才以上対象 配信 【Win】Steam (英語版)2012年11月29日/711円 判定 クソゲー シリーズファンから不評 ポイント シリーズ最大の黒歴史Core Design倒産の元凶何もかも中途半端 トゥームレイダーシリーズ 概要 ストーリー 特徴 問題点 PS2版の問題点 賛否両論点 評価点 総評 余談 概要 『トゥームレイダー』シリーズの据置用タイトル6作目。 シリーズ初のPS2、当時他の会社もこぞって取り入れていたステルス要素やシナリオ分岐などの新要素を取り入れ、マンネリ化したシリーズを打開すべく開発された。 発売前には新生『トゥームレイダー』3部作の第1弾として発表されていたのだが…。 原題は『Tomb Raider The Angel of Darkness』で、そのタイトル通り全体的に暗めな作風になっている。 ストーリー 『4』ラストにおける遺跡崩壊から奇跡的に生還したララ・クロフトだったが、 仲間であり師であったフォン・クロイ教授の裏切りともとれる行動によりすっかり人間不信に陥り、自宅で陰鬱とした日々を送っていた。 ある日、教授からパリに来てほしいと電話を受ける。現在のパリは「モンストラム」と呼ばれる謎の猟奇殺人犯による連続殺人が起きていたが、怒り冷めやらぬララは教授の下へ向かった。 教授はララに助けを求めるが、突如拳銃を取り出して発砲され、ララは気を失ってしまう。 気が付いた時、そこには息絶えた教授の遺体があり、ララは殺人犯として逃亡するハメになってしまう。 特徴 基本操作はこれまで同様のラジコン操作。 PS2版は左スティックを倒した方向に移動し、スティックの倒し具合で歩きと走りが切り替わる操作に変更されている。通常通り、歩きボタンも存在する。 新たに歩きよりも敵に気付かれにくくなる「ステルス」が追加された。 ステルス中に壁に向かってアクションボタンを押すと壁に張り付いて移動することが可能になった。この状態で壁の端でさらに移動しようとする向こう側を覗きこめるようになった(*1)。 ステルス中に敵の背後に近づいてアクションボタンを押すとステルスキルを行えるようになった。 しゃがんだ状態から這って移動する事が可能になった。 最初はダッシュが使えず、ゲームがある程度進むと解禁される。 マウスや右スティックでカメラを操作できるようになった。 「グリップゲージ」が追加され、ぶら下がり移動に時間制限がついた。 特定の場面で特定の行動をすると身体能力が強化されていき、ぶら下がり時間の延長、ジャンプ力の強化といった成長要素が追加された。 特定の場面では選択によってルート分岐が発生するようになった。 ストーリー自体に変化はないが、異なるステージに進むといった変化が発生する。 シリーズ初にして唯一のダブル主人公を採用しており、新主人公のカーティス・トレントを操作する場面がある。 問題点 もっさりした操作性 全体的にモーションが遅く、PS1時代のキビキビとした操作性はなくなってしまった。 特に移動。前作まではボタンを押している間だけ歩き、通常は走り移動でスムーズに移動が行えたが、今作では走る際も必ず数歩歩いてから走り出すようになった。走る速度自体も遅い。 戦闘が必要な場面でももたもたと歩くのは変わらないため、戦闘が面倒くさい要因の1つとなっている。場面によっては処理落ちによって、もっさり具合に拍車がかかるおまけ付き。 特定の場面では時間制限が発生するが、これが非常にギリギリで少しでももたつくとゲームオーバーの難所。これをこのもっさり操作でやるのは難しい。 前述のグリップゲージについても非常に中途半端。 そもそも強化は特定のオブジェクトを押し引きしたり、扉を蹴破るだけでパワーアップする固定方式で、やらされている感が強い。 似たような要素のある『MGS2』などと違って能動的に鍛えることが不可能で行動を制限するだけの要素に成り下がっている。 元々、開発段階では成長要素を取り入れる予定だったらしいが、余談にて後述する開発のドタバタでお蔵入りとなり、中途半端に残ったのがグリップゲージとの事。だったら完全に削除してもよかったのでは…。 カメラワーク 一部強制で固定カメラになるためジャンプを多用する本作では最大の問題の1つと言っても過言ではない。 また、スニーキングで進む場面でも固定カメラになる場所があるため、せっかくの覗き込みアクションの意味がなくなっていたり、逆に周囲を確認しづらくなるなど厄介極まりない。 なんちゃってステルス ステルス自体、失敗しても特にペナルティがある訳でもないため、普通に突っ込んでいった方が楽に突破できる場面も多い。 見つかっても敵が増援を呼んだりする事はないので、ごり押しで突破できてしまう。さらに見つかっていない敵に触れても特に反応しないなど作りこみも浅い。 今までのトレードマークだった二丁拳銃が無い 発売前のPVではガンガン撃ちまくっていた二丁拳銃だが、今作の正規プレイではストーリー中のムービーで二丁拳銃を構える(もしくは左右のホルスター両方に入れてある)場面はあるものの、プレイヤーが操作できる場面には二丁拳銃は存在せず、拳銃タイプの武器は全て一丁を両手で構えるスタイルになっている(*2)。 遺跡がほとんど登場しない 『2』以降、遺跡以外のステージが増えたが、今作はいつにも増して遺跡が舞台となるステージが少なく、「トゥームレイダー」というタイトルに疑問符がつく。 ララが逃亡者となっているため、序盤から裏通りなどを移動する場面ばかり。唯一遺跡と言えるのは中盤で訪れる「古代の墓」のみ。 後半は『バイオハザード』のようにサナトリウムや研究所が舞台となり、実験体クリーチャーが敵となるシリーズの中では非常に異色な展開となる。 ロードが長い 特にPS2版では顕著。 前半に訪れる「パリの貧民街」は街中が複数のマップに分断されているため、階段を上がったり路地に進もうとしたりするたびにロードが挟まるというイライラポイント。別にイベントが多いわけではなく、ほぼ無人なのにこの有様。 過去作と違ってチャプターで区切られていないため、他のステージでも途中にロードを挟むようになっている。 その他 カーティスを操作できるのは後半のごく一部のシーンのみ。結局ほとんどの場面はララ操作で進む。 カーティスは超能力を使うという設定があるが、ゲーム面でそれが反映されているわけでもなく一部の謎解きで勝手に使われるのみ。 換金アイテムが用意されており質屋で売る事が出来るのだが、買い物できるのは極一部の場面だけ。一度も利用しなくてもクリア可能でおまけ要素などにも直結しない。本作の中でも存在価値不明な要素の筆頭。 PS2版の問題点 アナログスティック操作は問題だらけ。 普通に移動する場合は問題ないのだが、倒した方向にすぐ振り向くわけではなくゆっくり回り込む形で移動するため、穴を飛び越える際の微調整は非常にやりにくい。 立ち止まった状態でスティックを入れればその方向に振り向いてくれるが、こちらも微調整しにくいためストレスが溜まる。これならPC版同様、ラジコン操作の方がマシである。 スティックのみで歩き移動が出来ること自体は良いのだが、足場の端から落ちないようにするには従来通りボタン入力で歩き状態に切り替える必要があるなど、やはり中途半端になっている。 おまけにPS2版ではビハインドビュー(常時背後視点カメラ)が廃止されたため右スティックで逐一調整せねばならず、状況によっては突然スティックを入力していた方向と別の方に移動するなど少なからずプレイに支障をきたす要因になっている。 日本語訳は微妙におかしく、違和感のある言い回しが多い。さすがに意味が通じないほどではないが。 北米版のみ落下中にポーズをかけるとキャーキャー鳴り響くバグが発生する。速攻でミュートにした方がマシ 賛否両論点 ストーリー分岐の追加 会話中の選択肢により展開が変化するインタラクティブ性が取り入れられ、一本道だったストーリー・ゲーム進行に彩りを添える要素となった。 歴代シリーズでも今作のみの要素であり、新要素の中では評価できる。 ただ、分岐と言ってもステージの入り方が変化したり、入手できるアイテムに差が出る程度。ゲームオーバーになる選択肢もあるが、ごく一部のみ。 選択肢を選ぶためか、会話を飛ばせないのも地味に面倒くさい。 評価点 グラフィックはPS1時代から順当にレベルアップしており、当時のシリーズで最高峰のグラフィックを実現していた。 PS1時代のカクカクで女性のプロポーションを強調したようなデフォルメ体型から大きく進化しており、他のゲームと比較しても十分すぎるほど良くなっている。 アイテムを拾ったりレバーや扉を操作する際、以前に比べてアクセス可能な範囲が広がり、自動的に近づいてくれるようになった。 総評 マンネリ化し、評価も下がっていたシリーズに新風を吹き込もうと様々な要素を取ってつけたものの、その多くが中途半端すぎて逆に大幅に評価を下げてしまった。 グラフィックなど進化している部分もあるものの、大半のゲームプレイ、シナリオに問題を抱えているため評価を覆せるほどではなく、シリーズ最低作品の烙印を押されている。 一応遊べない事はないものの、最後までプレイするには非常にストレスのかかるクソゲーという評価が一般的である。 あまりに不評だったため本作のキャラクター・ストーリーは封印され、公式から黒歴史化された。 長らくシリーズの開発に携わってきたCore Designは親会社でもあるアイドスから契約を切られ、次回作からは別の傘下会社(*3)が開発を担当することになるなどシリーズに与えた影響は非常に大きかったと言えるだろう。 余談 本作の同年に実写映画版第2作目が公開されたのだが、海外では本作の不評の影響で(*4)前作から興収が著しく低下したとされている。 イギリスのゲーム雑誌、EDGEの2006年8月号に掲載された当時のCore Designの開発メンバーのインタビューによると「ゲームが完成していないにもかかわらず、2003年の財務目標を達成するために、Eidosの圧力によって無理やり発売を強行させられる羽目になった。そのせいで本来搭載されるはずだった要素の大半はスケールダウンされたり削除されることはおろか、UI関連のテストすら端折られてしまった」と述べている。 本作の失敗はCore DesignはおろかEidos Interactiveにまで悪影響が及ぶ形となった。販売数は全世界で250万本と言う数にもかかわらず、開発関連費用がペイできず、上層部が数名ほど更迭されている。 本作発売から3年後、Core Designの開発部門は『Aliens vs. Predator(*5)』や『Sniper Elite』シリーズなどで知られるイギリスのデベロッパー、Rebellion Developmentsに売却され、最小限の事務員だけを残す状態となったのち、2010年に倒産した。 一方、売却された開発部門はRebellion Derbyとして『Shellshock2 Blood Trails』や『Rogue Warrior』(*6)といったFPSを手掛けたものの、スタジオの再編・整理により2010年の3月に閉鎖された。
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ブラッドブラザーズ 【ぶらっどぶらざーず】 ジャンル シューティング 対応機種 アーケード 販売元 テクモ 開発元 TADコーポレーション 稼働開始日 1990年 判定 バカゲー ポイント 西部劇風画面固定シューティング絶妙な難易度でゲームとしては良作レベルステージクリア時、全てが分かる 概要 基本システム おバカな点 評価点 問題点 総評 余談 概要 同社の過去作『カベール』のシステムをほぼそのまま継承した、固定画面のアクションシューティングゲーム。『カベール』は現代戦がテーマだったが、本作は西部劇がテーマ。 ゴールドラッシュの影で暗躍する大悪党「ビッグ・バッド・ジョン」を倒すべく同志となった、とあるカウボーイとネイティブアメリカンが二丁拳銃とライフルを手に取り戦いを挑むという筋書き。全5ステージ20シーン構成。 1P側は二丁拳銃を操るカウボーイ、2P側はライフルを操るネイティブアメリカンとなっているが特に性能差は無い。 タイトルにもなっている英熟語「blood brothers」とは、「義兄弟」という意味も含まれる。開拓民と原住民が手を取り合う設定と図式は非常に熱い。 なお、敵側もプレイヤー側と全く同様に開拓民と原住民の混成である。その上、西部劇としては明らかにオーバーテクノロジーな兵器や、本筋とあまり関係無さそうなファンタジー要素も平然と加わっている、勢いとシチュエーション重視の世界観。 基本システム 1レバー+3ボタンで操作。 レバー操作で自機や照準を動かす。Aボタンで射撃、Bボタンで回数制限はあるが強力なダイナマイト攻撃、Cボタンで緊急回避となる完全無敵動作のローリングが出る。 Aボタンでの射撃中は自機は動きを止め、照準のみを動かすこととなる。また、射撃で多くの敵弾を撃ち落して消去する事が可能。基本的にはフルオート連射なのだが、一定以上の勢いでボタンを連打すると高速で連射できる隠し仕様がある。 Bボタンでのローリングは2種類ある。「レバーを下か斜め下に入力した状態」でCボタンを押した場合は小さく移動距離の短いローリング、それ以外の状態では横に飛び込んで転がるような移動距離の長いローリングを行う。動作中完全無敵で動作終了後の隙も皆無という法外なまでに超強力な回避手段ではあるが、「動作中は一切攻撃できない」というデメリットが殲滅を重視せざるをえない激戦区で大きく響き、下手するとジリ貧になりかねない点がありゲームバランスはとれている。 Cボタンでのダイナマイト攻撃における回数制限は1P側は画面左下、2P側は画面右下のダイナマイトのマークの下に数字で表示される。初期状態では10発、最大で99発まで保持可能。ダイナマイトを1発補充するアイテムは「敵が投げてくる爆弾を撃ち落とす」などの方法で簡単に出現するので、無理しない程度にチマチマと集めていくのが勝利の鍵。 画面上の敵及び建築物を破壊すると画面下のゲージが減少し、全て無くすとクリアとなる。 ボス戦では、画面下のゲージはボスの体力の表示として使用される。 ローリング動作中でない状態で敵の攻撃を喰らうとミスとなり残機が減り、残機が無い状態でミスするとコンティニュー待ちの状態になる(コンティニューしなかった場合はゲームオーバーとなる)。 なお、分かりにくいが残機表示はダイナマイト発数の数字の真下にある「丸のマーク」。 おバカな点 ステージクリア時の演出 ステージをクリアすると、破壊しなかったオブジェクトも全て豪快に爆発し、『カベール』同様、軽快な音楽と共に主人公は画面奥に小躍りしながらすっ飛んでいく。 何でもアリな時代設定 一応、舞台は西部開拓時代の筈だが、二十世紀初頭になって初めて実用化された筈の飛行船や複葉機、装甲車が普通に敵として登場する。 アイテムキャリア ステージ中に豚やイノシシが横切る事があるが、これらは撃つとダイナマイトや一定時間武器が強化される「ライフル」や「マシンガン」を出すアイテムキャリアである。 その他のバカゲー要素 ステージ中にふらりと現れる貴婦人を撃つと、スカートをおっ広げながら大量の得点アイテムを放出し、画面端へと走り去っていくという演出がある。 このようにバカゲー要素として突っ込みどころは多いものの、そんな考証をも吹き飛ばせる程のパワーがこの作品の魅力と言ってもいいだろう。 評価点 破壊のカタルシス 本作は同社が過去に出した『カベール』のリメイクとも取れる作品だが、この作品も前作同様、画面上の多数のオブジェクトが破壊可能である。 樽は勿論、家、倉庫といった建築物や、一部の森や岩山も拳銃の連射で破壊出来る豪快さである。 取っつき易いゲーム性 序盤は弾数も少なく、弾速も遅い。射撃で消せる攻撃も多いので、初心者にもとっつきやすい。 プレイヤーの操作も前作のトラックボールからレバーに変更された他、オート連射の通常ショットを代表とする各種アクションも豊富かつ強力である事も相まって、性能の良いプレイヤーを簡単な操作で思う存分暴れさせる事が出来るだろう。 BGMは数こそ少ないが、通常面でのBGMはノリが良い。 問題点 難易度の高い後半ステージ 本作は前半ステージこそ簡単だが、後半戦になるにつれて難易度が上昇しパターンを組まなければクリアは厳しい。 ミスすると、強烈な特殊銃を使用中だった場合はその特殊銃が剥奪されてしまう。ミスしてもダイナマイトの数が減ったりはしないものの、ダイナマイトの発数が回復するなどの救済措置も存在しない為リソース管理にも気を配る必要がある。 1人プレイ時はボス戦のみ事実上の「戻り復活」方式 前作『カベール』同様、1人プレイ時のボス戦は事実上の「戻り復活」方式。2人同時プレイ時では発生しないが、1人プレイ時にボス戦でミスするとボスの体力ゲージが完全回復した状態でボスが再度登場しなおす。 総評 ステージクリア時の変なステップを代表する奇抜なシーンこそ目立っているが、総じて丁寧に作られている。 余談 本作を開発したTADコーポレーションは変な作風が特徴のデコことデータイーストのスピンアウト組が設立した会社であり、前作にあたる『カベール』が処女作の知る人ぞ知るメーカーである。(*1) TADコーポレーションは本作の後、同じく西部劇を舞台とする見下ろし型のアクションシューティング『ヒーテッドバレル』をリリースした。(*2) こちらはジャンルが違う上に直接的な繋がりは無いものの、こちらも全体的にハジけたキャラクターや演出が健在なことから、TADが西部劇ゲーを作るとこんな作風になってしまうのかもしれない。 日本では一部の好事家には支持されたものの、イマイチぱっとしなかった本作であるが、海外ではかなりの大ヒットを記録しており、1995年頃にはイタリアのプレイマーク社から『ハードタイムズ』というグラフィックを変更したデッドコピー作品が作られる程のロングラン作品となった(80年代とは異なり90年代は長期的な需要の作品でもない限り、コピー基板は作られない)。 このように大ヒットを記録しながらも海外では数多くのハードに移植された『カベール』や『JuJu伝説』とは異なり、本作はどのハードにも一切移植される事は無かった。実はTADはスーパーファミコンのサードパーティーとしてコンシューマー市場に参入しており、その第一弾として本作が移植される予定で、実際に開発が進んでいたそうなのだが、移植スタッフのリーダーが開発の最中に脳卒中を発症し、治療する為にTADを退社したおかげで開発が中断してしまい、そのまま倒産してしまったとの事だそうである。 ナツメがSFCでリリースした『ワイルドガンズ』および、リメイク作『ワイルドガンズ・リローデッド』は明らかに本作および前作『カベール』からインスパイアされているゲーム(*3)だが、こちらも良作。 西部劇が舞台と見せかけて「SFの世界における西部劇のような文明をもった惑星」が舞台であり、敵はロボットやメカが多い。本作とは外見的な雰囲気や操作感はかなり異なっている為、単なるパクリではない。 同ジャンルの作品は他にも『銃武者羅』(ミッチェル)などがあるが、大体の該当ゲームはとんでもなくハジけている。 『銃武者羅』は「本能寺の変」直前がテーマの話なのにラスボスが織田信長ではなく「機動要塞である安土城そのもの」だったりするなど、なんかもう色々とおかしい。 なおミッチェルの社長だったロイ尾崎氏は元データイースト社員で、TAD設立当時のスタッフの一人でもあったので、『ブラッドブラザーズ』の前作だった『カベール』にも関わっていた模様である。
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ポパイの英語遊び 【ぽぱいのえいごあそび】 ジャンル 教育ソフトアクション 対応機種 ファミリーコンピュータ メディア ROMカートリッジ 発売元 任天堂 発売日 1983年11月22日 定価 4,500 円 プレイ人数 1~2人(同時) 判定 なし ポイント 教育ゲームソフトの先駆け ポパイシリーズリンク 概要 システム 問題点 賛否両論点 評価点 総評 概要 先に発売されていた『ポパイ』をベースに、遊びながら英単語の学習が出来る教育ゲーム。 『ドンキーコングJR.の算数遊び』と同じく本体発売と同じ年に発売された。 システム モードは『WORD PUZZLE A』『WORD PUZZLE B』『WORD CATCHER』の3つ。 『WORD PUZZLE』はステージ1のマップが舞台。1人用でポパイを操作する。まず最初に『ANIMAL』『COUNTRY』『FOOD』『SPORTS』『SCIENCE』『OTHERS』の6つのジャンルから一つを選ぶ。選ぶと下二段にアルファベットが一つずつ表示される。(ポパイはこの二段しか移動できない。)更に最上段にいるオリーブがハートを一斉に投げてくる。このハートが下から三段目に並んで四角いマスになり、単語の文字数を現す。その後アルファベットを選び、英単語を完成させるのが目的。 モード『A』だと日本語訳がカタカナで表示されるが、モード『B』はノーヒント。ジャンルと文字数だけを頼りに当てないといけない。アルファベットはどんな順番で選んでも構わない。パーフェクトで当てれば100点、1回間違える毎にマイナス10点。ギブアップすると0点。 正解だとそのアルファベットはハートマークに、間違えるとドクロマークになり、その問題中は選べなくなる。同じアルファベットを複数使っている単語なら、一つ当てれば残りも全部埋まる。 最上段にはブルートとカゴに乗ったスウィーピーがいて、間にはパンチングボールがある。ポパイが間違えると何故かブルートがパンチングボールを殴ってスウィーピーの乗ったカゴを左方向へ押しやる。10回間違えるとカゴが落ち、それをポパイがキャッチしてゲーム終了となる。その際正解が表示される。 アルファベットのZの横に『?』があり、これを選ぶと正解が表示されてギブアップになる。 10問行うとポパイがオリーブの前に行ってハートマークに囲まれる。この時規定の得点以下だとブルートが暴れてハートマークが散ってしまう。更に低いとオリーブの前にブルートが立ってハートに囲まれる。 『WORD CATCHER』はステージ3の船が舞台。2人同時プレイ専用で、1Pがポパイ、2Pがブルートを操作する。 上空から降ってくるアルファベットから、画面左端に3つ表示されているカタカナに該当する英単語を順番に拾いながら完成させる。 正しく拾えていれば画面上部に拾った文字が表示されていくが、間違った文字を取るとリセットされてやり直しになる。ジャンル選択は無くランダムに出題される。 対戦相手と重なる事は出来ても攻撃することは出来ない。あくまで文字を拾うのみ。 英単語を一つ完成させると該当するカタカナは次の言葉に入れ替わる。カタカナは常に3つ表示されていることになる。こうして先に5つ言葉を完成させた方が勝ち。 問題点 ヒントがカタカナなので、複数の意味がある言葉だと判別しづらい。 例えば『SCIENCE』で『スイセイ』と出たら、『水星』、『彗星』、『水性』など複数の候補が上がる物もある。 『ジョウギ』と出たら詳しい人は『RULER』と『SCALE』のどちらか迷う事になる。 カタカナヒント一つにつき正解は一つしかないが分からなければ取り敢えず何か文字を選ぶしかない。 『WORD PUZZLE B』のシステム的難易度 上述した通り、カタカナのヒントが出ないのでジャンルと文字数のみで当てなければならない。英単語の知識が豊富であろうと関係なく、勘を頼りに言葉を選ぶというモードAとは別次元での難易度の高さ。 ハングマンと呼ばれる遊びをこのゲームのシステムに当て嵌めたものとも考えられ、そちらと同様正答を導き出しやすくなる定石が一応あるもの、いずれにせよ教育ゲームとして解答の厳しいモードであることは変わらない。 『WORD CATCHER』のシステム的難易度 大量に降ってくる不必要な文字をかわしながら必要な物だけを確実に取らなければいけない。いらない文字が寄って来たり、欲しい文字がなかなか出なかったり、他の文字と重なっていたりする事もある。 このため英単語の知識がいくらあっても、イライラさせられる場面が多く爽快感に欠けてしまうことが多い。 スウィーピーの扱いがひどい。 必ずポパイが下でキャッチするので海に落ちる事は無いとは言え、子供にボールをぶつけているので、今では児童虐待と非難されかねない。 賛否両論点 日本ではあまり聴き慣れない英単語もある。 『セミ(CICADA)』や『リス(SQUIRREL)』の他、外国の国名などは英語表記だと事前知識が無いとまず分からない言葉も多かったりする。 最初から高得点を狙うならある程度英語の知識がある事が前提となり、想定しているであろう年齢層を考えると、難易度的に少々ずれがあると言わざるを得ない。 ただしあくまで「教育ソフト」なので、知らない言葉を学習出来るからこそ意味があるとも言える。 ゲーム内で使用される英単語の総数自体は少ないため、ヒントの少ない『WORD PUZZLE B』で高得点を狙う場合は出題単語を文字数別にある程度事前に覚えておく(暗記)or単語リストを事前に用意しておく(カンニング)ことで対策出来たりする。 いわゆる「覚えゲー」となるわけだが、「教育ソフト」という観点で見れば本来の目的に適っているとは言える(さすがにカンニングは現実のテストでは駄目だが)。 評価点 学習での当たり前の作業「何度も繰り返して覚える」をゲームで気軽に楽しめる点は評価できる。 『WORD PUZZLE A』ならストレスも少なく本来の英単語の勉強に使える。 ただし知らない単語が出た場合はモードBと同じ状態になってしまうのが欠点。 総評 本作はファミコン本体発売の4か月後に発売されている。ただのゲーム機に終わらせず、可能性を模索して展開させていたのはさすが任天堂と言えるだろう。 ただし本作は既存のゲームのシステムを流用することで、元のゲームの感覚で楽しみながら勉強するという試みは斬新であるものの、どうしてもそれ以上の事が出来ない故の不便さ、不自由さが拭えない。日本ではあまり馴染のない英単語の多さや勘を頼りに答えなければならないなど難のある個所もある。 やはり実用性を十分に盛り込むには限界があったようで、この時代の教育ソフトらしく「ハード本体を親にねだるのに都合よいソフト」という意見がもっぱらであった。 先述のようにまずは点数は気にせずゲームを繰り返し遊んで英単語を覚え、次は高得点を目指してまた遊ぶという使い方をすれば、予習復習が一本で出来るのでファミコンでの教育ソフトとしては必要十分と言えるだろう。
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きれいずきん生活 【きれいずきんせいかつ】 ジャンル アクションアドベンチャー 対応機種 ニンテンドーDS メディア DSカード 発売元 コロムビアミュージックエンターテインメント 開発元 サンエックス、インフィニティー 発売日 2010年4月22日 定価 5,040円(税5%込) プレイ人数 1人 セーブデータ 2個 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 なし ポイント 奇奇怪怪な屋敷でお掃除 お宝さがし手軽だが省略できないミニゲーム群 サンエックスキャラクターゲームリンク ゲームの概要 システム ゲームの進め方 操作について アイテム 評価点 問題点 その他細かい問題点 総評 ゲームの概要 本作は2009年2月発表されたサンエックスのアライグマをモデルとしたキャラクター「きれいずきん」が活躍するミニゲーム集(公称はアクションアドベンチャー)である。 一日の大半を寝て過ごしながらホコリたちと戯れる「ぐーたらのまー」は、赤い掃除頭巾をかぶるときれい好きの働き者「きれいずきん」に早変わりする。 ぐーたらのま一が、彼の隣人兼世話人のもぐら先生と森で散歩していると、怪しい屋敷を発見。 そしてその屋敷には、お宝と引き換えに掃除をしてくれるそうじのプロを募集する立て看板があった。 かくして、ぐ一たらのま一はきれいずきんに変身し、もぐら先生と共に屋敷に突入。 お金はあるがどこかさびしい屋敷の住人の悩みを解決し、不可解に湧き続けるほこりを食い止めるべく奮闘するのであった。 システム ゲームの進め方 プレイヤーは主人公の「きれいずきん」および「ぐーたらのまー」を操作。絵のように描かれた3Dの見下ろしマップを歩き回らせ、屋敷の掃除をしたり、プレイルームでぐーたらに過ごさせたりできる。 NPCとの会話、物の交換・売買、ミニゲームが本作での主な出来事である。 ゲームの進め方 屋敷の中のNPCと会話し、指示された場所に湧くホコリフレンズ(*1)を掃除する、もしくはホコリフレンズから入手したホコリのカタマリから得たおたからを渡すことで、シナリオが進む。 最初期は箒と雑巾しか持っていないが、シナリオを進めることで新しい掃除道具が入荷されるようになり、その道具を使わないと除去できないホコリフレンズも出現するようになる。 セーブ 「まーの部屋」の机に置いてある日記帳を調べてセーブ可能。 シナリオの節目に到達するごとにセーブするかどうかを聞いてくるパターンもある。 操作について 主人公操作 タッチペンか方向キーでキャラ移動。Bボタンを押しっぱなしにすることで移動速度が上がる。 近づいた対象物や人物をタッチしたり、Aボタンを押すことで調べたり話しかけたりできる。 きれいずきんのモード切替 下画面左には2つアイコンがある。左上の方は持ち物を確認できる。左下の方は頭巾の着脱をし、「きれいずきん」モードと「ぐーたらのまー」モードの切り替えができる。 2つのモードの間では、歩行速度とNPCに話しかけたり、ホコリフレンズを調べた時の結果が変わる。また後者のモードのみでプレイできるミニゲームがある。 掃除のミニゲーム 屋敷中に散らばっているホコリフレンズを調べると、彼らを掃除するためのミニゲームが始まる。 屋敷を探索するときと同様の操作できれいずきんを移動したり、掃除アイテムをタッチペンで操りながらゴミをかき集めたり除去したりする。 制限時間内にすべての汚れやゴミを除去する、もしくは一定時間内に一定量のミスをしなければホコリフレンズがいなくなり、ホコリのカタマリが手に入る。 掃除のミニゲームは大きく分けて4種類。歩き回ってゴミ等をしらみつぶしにするもの(おかたづけ、モップ掃除、芝刈り、掃除機)、タッチペンで特定の場所にゴミを追い込むもの(ちりとり、掃除機でシーツや狭い所を掃除する)、ひたすら特定区画をこすりつけるもの(雑巾、窓ふき、コロコロ、洗濯板、煙突掃除)、リズムゲームの要領で落ちてくるホコリをタイミングよくハタキでキャッチするものがある。 一部例外こそあるが、どの掃除をすることになるかはホコリフレンズをタッチしてみないことにはわからないようになっている。 制限時間が来るとやり直し。ふたたびその場にいるホコリフレンズを調べればリトライできる。ただしリトライ時に前のプレイ状況が反映されるわけではなくランダム。そのため、ゴミが前より増えていたり減っていたりする。 スタートボタンで中断可。苦手なミニゲ一ムであれば後回しにしてしまって良い。 ホコリのカタマリをみがくゲーム ホコリフレンズから入手したホコリのカタマリは「まーの部屋」でみがくことができる。 制限時間内に下画面に表示されるホコリのカタマリを鉄たわし、たわし、布と磨きの強度を切り替えながらスライド操作で削っていくことができる。大部分のホコリを取り除くことができれば、中に埋もれたピカゴージャスなアイテムを取り出すことができる。 しかしホコリのかかっていないところをみがきつづけると、中に埋もれたアイテムが壊れてしまう。壊れそうになっても視覚的な異常はない。その代わりにモグラ先生が入れてくる警告を参考にする必要がある。 その他に、消費アイテムとしてボフオ雑貨店から購入したクレンザーを購入して、一瞬できれいにすることも可能。 茶色、灰色の物体にほこりがこびりついていると、どこにホコリが残っているのかわかりにくいことがある。また制限時間は据え置きなので、大きいホコリのカタマリほどみがくのが難しい。 プレイルームのゲーム 「ぐーたらのまー」モードでないとできないミニゲームがある。輪投げや、塗り絵、リンゴの実を突いて落とすゲーム等を収録。 アイテム ボフオとミシェルあらいの掃除道具 シナリオが進むと、ボフオが経営する雑貨店に新たな掃除道具が入荷する。このタイミングでミシェルあらいというカリスマ主婦が出演するCMが挟まれる。 ミシェルあらいが紹介する掃除道具以外にも、クレンザー(ピカみがきの際に、瞬時に万遍なくホコリを除去したり壊れたアイテムを修復したりできる消費アイテム)、ガラクラぶくろ(ひとつ買うごとにホコリのかたまりの最大所持可能数が2つずつ増加する)を売ってくれる。 その他アイテム ピカゴージャスなアイテムは家具としての使い道があり、ジイヤというNPCに売って屋敷に飾ってもらえる。 ホコリを完全にとりきる必要はないが、ピカゴージャスの値が最大値100から減ると、買い取り金額が落ちる。また一度売った家具と同種類の物を売りつけても、問題なく買い取ってくれる。 みがいたピカゴージャスなアイテムは150個までストック可能。これ以上は持てないので、150個持っている時にホコリのカタマリをみがくことはできない。 その他 ピカゴージャスなアイテムをそろえた部屋のホコリフレンズを駆逐すると、部屋が輝きだす。 金銭面の配慮のため、かつて訪れた部屋にはホコリフレンズが際限なく湧く。 シナリオ上必要なピカゴージャスなアイテムは、みがきに失敗して破損してもすぐさま同じアイテムがどこかに再出現するが、そうでもないものは基本ランダム出現。 評価点 ゆるい雰囲気 ステージとなるお城、BGMはどれものどかなので息抜きには適している。 ミニゲーム中のきれいずきんの表情が多彩。ごみを狙って片目をつぶったり、きれいになったらやや恍惚気味の満面の笑みを浮かべたりとかわいい。 ゲーム中の誘導が丁寧 作中にて、どこで何をすればいいか困る場面が基本的にない。何かを成し遂げるたびにもぐら先生といったNPCに話しかけると、ヒントとなる話をしてくれる上進捗に逐一対応してくれる。簡単なテキストだが、子供がプレイしても詰まないような配慮が行き届いていると言えるだろう。 終盤までの物語構成 ありきたりに感じるプレイヤーも一定数いるだろうが、基本的な部分はしっかりつくってあるシナリオ。 子供相手のゲームにありがちな登場人物の使い捨て等はなく、きちんと登場人物を万遍なく活躍させている。お金持ちになって周りが見えなくなってしまった屋敷の主人に、ひとつ大切なものを気づかせるような流れ自体は良い。 屋敷がだんだんにぎやかになっていくシステム ホコリの塊と化してしまった家具を、みがいてかつての姿によみがえらせることで、飾りつけできる。最初は殺風景な部屋であっても、家具の有無によって雰囲気が変わる。 問題点 総じて単調 簡単に作ったため仕方のないことかもしれないが、やれることは限られている。 寄り道こそできるがゲーム構造は一本道。その間、そこらに無限湧きするほこりフレンズからホコリのカタマリを取り出して、みがいてジイヤに売りつける、時折ボフオ雑貨店からアイテムを買うの繰り返し。 ホコリフレンズの復活も早く掃除するためのミニゲームも同じようなことしかやれないので、続けるモチベーションになりにくい。 シナリオを進めると、ボフオ百貨店で新たな掃除道具を買わないと掃除できない類のホコリフレンズが出てくる。しかし上述のとおりホコリフレンズは無限涌きするので、そいつらを2つ3つスルーしたところで屋敷の景観に影響はない。やれるミニゲームが増えて楽しくはなるだろうが。 まどろっこしい会話・挙動 ミシェルあらいのCMの頻度がやや高い。にもかかわらず、紹介する掃除器具および解説のための数文が変わるだけで、それ以外の内容は全く同じ。さらに1回40秒以上もかかるうえにスキップ不能。 ピカゴージャスなアイテムもジイヤに対して1つずつしか渡せない。ジイヤに話しかけてから飾ってもらい、報酬をもらうまでの1サイクルにだいたい20秒かかる。 ミニゲーム時、掃除道具は細かく機敏に動かせる傾向があるのだが、きれいずきんの歩行速度や箒の動きが遅い。 マップ設計 音楽室に行けと言われても、どこが音楽室かは初見ではしらみつぶしするしかない。 きれいずきんが「どの部屋にいるか」しかわからない。部屋のどの位置にいるかまでは分からず、間違った扉を選んでしまうこともありうる。 部屋を仕切る扉や階段には「吸引力」があるため、少しかすっただけでも部屋を移動してしまうことが多い。場合によっては特定の方向キーした入力していないにもかかわらず、百度参りできてしまったりする。 説明書にしか書いていない説明がある 「ぐーたらのまー」になるとできるミニゲームは、本編中では2つ(ゴミ箱にゴミをなげるミニゲーム、リンゴの実を突いて落とすゲーム)絶対にやることになる。しかし、実はそれ以外にも存在するがゲーム中で説明がない。 同様に「ぐーたらのまー」モードでは、ホコリフレンズと会話ができる。最初は意味がないことだが、後半の特殊な掃除器具が必要なホコリフレンズは自分の弱点をペラペラしゃべってくれたりする。 ボフオ百貨店には、ミシェルあらいが紹介する掃除道具のほかにも売り物がある(クレンザー類、ガラクタぶくろ)のだが、その使い道が作中では分からない。 + ゲームクリア時のネタバレにつき格納 ゲームクリア時の出来事 エンディングはまさかの夢オチ。プレイヤーがクリアまでやってきたことは全てぐーたらのまーが見ていた夢の中の出来事。 主人公のまーは基本はぐーたらにもかかわらず、自在にきれいずきんになってテキパキ働きすぎていたこと、ホコリが無限に不自然な発生をしていた事、オカルトな成り立ちをしている屋敷、家具といった大きな物体がありえない場所から当たり前のようにホコリに包まれて無尽蔵に出てくる事等、どこかおかしい…と思いながらプレイしていた人はいるかもしれない。ある意味、こういった超常現象に対して整合性はついたといえる。 ただし、エンドロール後何事もなかったかのように屋敷に戻されてゲーム再開となるので、プレイヤーに徒労感を与えてまで入れる必要があった展開なのかは疑問。 その他細かい問題点 屋敷の景観がなかなか良くならない ホコリのカタマリから取り出した家具で屋敷が次第ににぎやかにはなっていくのだが、特定の家具を狙って出すことはできずカブることもある。ホコリのカタマリから「ホコリ」というハズレアイテムが出ることも(1円で売ることぐらいしかできない)。 クリア後、もぐら先生とジイヤ以外のNPCも家具を要求してくるのだが、ジイヤと違いピンポイントで欲しがる上に飾ってくれるわけではないので特にあげる意味はない。 総評 注意深く遊ばないと気づかなかったり、特にやる必要のないミニゲームが多いため、短時間で遊ぶには、同じことの繰り返しになりやすいゲーム性がネック。 コツコツとした作業が好きで屋敷が完成していく過程を楽しめることが本作の個性であり、これに意義を見いだせるなら手にとってみてもいいかもしれない。手軽さやギミックの多様さ、また致命的なレベルでのシステム上の欠陥や不快な登場人物等は登場しないので、子供向けのキャラゲーとしてはひとまず及第点である。
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アレスタコレクション 【あれすたこれくしょん】 ジャンル シューティング 対応機種 Nintendo SwitchPlayStation 4 メディア Switch ゲームカード PS4 Blu-ray Disc 開発・発売元 M2 発売日 2020年12月24日 価格(税抜) パッケージ版 6,800円 ダウンロード版 4,500円 ゲームギアミクロ同梱版 14,800円 プレイ人数 1人 レーティング CERO A(全年齢対象) 判定 良作 ポイント アレスタシリーズを一本に完全移植入手困難作がお手頃価格に希少サントラも収録まさかのゲームギアの完全新作 コンパイルSTGシリーズ M2 Shot Triggersシリーズ 概要 収録タイトル 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 かつて『ぷよぷよ』シリーズの著作権を保有していた旧コンパイルが、セガハードに発売したSTG『アレスタ』シリーズ。 本作は海外版も含めたシリーズ作品のカップリング移植である。 レトロゲームの移植に定評のあるエムツーによる生配信番組『M2STG生放送』の第1回目にて発表された。 エムツーが『アレスタ』シリーズの権利を獲得した後のタイトルとしては記念すべき1作目となる(*1)。 また、M2 Shot Triggersシリーズとして、初のコンシューマーソフトのみで構成された作品となっている(*2)。 収録タイトル アレスタ / 海外版Power Strike(*3)(1988年/SMS) GGアレスタ(1991年/GG) GGアレスタII / 海外版Power Strike II(*4)(1993年/GG) POWER STRIKE II(1993年/SMS) GGアレスタ3(完全新作) 限定版付属の『ゲームギアミクロ ホワイト』にも同タイトルが収録されている。そちらでは海外版は隠しコマンドで切り替えになっている(*5)。 特徴 M2ガジェット ショットトリガーズでお馴染みの機能、画面の余白に詳細情報を載せると言った攻略に役立つガジェットも健在。今作は4 3の家庭用ゲーム機からの移植の為、縦画面のアーケード移植より画面外のスペースが狭いということもあり、簡略化されている。今作以前に同社開発の『ダライアス コズミックコレクション』内『ダライアスアルファ』でガジェットは導入されていたが、非常に簡素な作りだったため、本格的なガジェット導入は初となる。 「GAME INFO」はプレイ中のタイトル名、難易度、スコアに加え、後何点でエクステンドするかの表示もある。 「PLAYER INFO」は残機をアイコンとして表示、残機の追加やフォースフィールドの発動までのチップを回収した数、アイテムを取った時の無敵時間の表示、ゲームの難易度を左右する「AutoLevelControl」。 「MUSIC INFO」はゲーム中に流れるBGMの曲名と作曲者名を表示。 「CONTROLLER INFO」は操作をリアルタイムに表示する。コントローラーのデザインは『アレスタ』ではセガ・マークIII、『Power Strike II』はマスターシステム、『GGアレスタ』シリーズはゲームギア。 「BATTLE ACHIEVEMENT」各ROUNDの道中、ボス戦のプレイを評価する実績。途中でノーミス達成かどうか確認できる。 「POWER UP INFO」攻撃と強化の情報、入手前の武器の確認、次のパワーアップを表示。 「TIMER INFO」ボスに到達するまでの時間、ボスを倒すまでの時間を表示。オンラインランキングの為の表示である。(*6)『GGアレスタ3』のみオンラインランキング用のスコアの表示になる。 お馴染み「スーパーイージーモード」は今作には存在しないものの、『アレスタ』のみEASYモードが搭載されている。これは、『アレスタ』が非常に高難易度である為に用意されたもので、「ミス時にパワーダウンしない」「違う特殊武器を取得しても武器レベルが維持される」「アイテム取得時の無敵時間を延長」「アイテムキャリアーの出現数増加」といった措置が取られている。 『GGアレスタ3』 本作、及びゲームギアミクロホワイトの為に作られたゲームギアの完全新作。 元エムツーの音楽家の並木学率いる『スーパースターソルジャー』等の過去のSTGを手掛けたベテランスタッフ達によりゲームギアの性能を限界まで生かして作られた。 主人公はリュナ・ワイゼン。テロ組織にハッキングされた周辺の衛星やステーション群に挑むためにアークセイバーに乗り込み、出撃する。キャラクターデザインは『キミキス』や『アマガミ』などで知られる高山箕犀氏が手掛けている。 Pエンブレムから出てくるアイテムは入力方向の反対側に発射して敵弾を相殺するオールレンジ、敵を追尾するチェインチェイサー、自機をガードするディフェンスビット、火柱弾を前方に発射するファイアウォール、自機の左右からレーザーを発射するライジングレーザー、周囲へ発射するターレットガン。 アレスタチャレンジ 各作品のステージやボスを任意の特殊武器や難易度等を設定して練習できるモード。『ケツイDeathtiny ~絆地獄たち~』『エスプレイドΨ』にあった「アーケードチャレンジ」にあたるモードで、被弾すると自動的に数秒前に巻き戻しされる「リワインド」機能も引き続き搭載している。 各作品、ステージ、難易度、特殊武器毎にそれぞれクリアメダルが設定されているため、コンプリートを狙うとなると膨大なボリュームを誇る。 『GGアレスタ3』のみ新作扱いのため、最初はステージ1しか選べずゲーム本編でステージをクリアしていく毎にステージが解禁される仕様となっている。 評価点 移植のクオリティ M2のお得意の自作エミュレーターによって当時と変わらない感覚でのプレイを可能とする移植を実現している。 過去に『SEGA AGESシリーズ』の『アレックスキッドのミラクルワールド』を手掛けた事もあってか、『アレスタ』はセガ・マークIIIのエミュレーターを拡張した形となっている。 ゲームギアミクロ向けのゲームギアタイトルの移植は過去に行われているが、『GGアレスタ』シリーズについては今回が初の家庭用ゲーム機向けのエミュレーションとなる。 『Power Strike II』はちゃんとヨーロッパ向けSMSの基準である50Hz稼働となっている。実機では『PSII』自体にプロテクトがかかっていない事から、日本のSMSに『PSII』をピン配列変更用のゲタを介して差し込んでも起動はするのだが、日本向けSMSの基準である60Hzで稼働してしまい、ゲームスピードが想定している物ではなくなってしまう。単にエミュレーターにデータを突っ込んでいるのではなく、エミュレーター上では50Hzで動かしつつ、画面表示間隔が60Hzの日本のTVで違和感なく動くように調整が入っている。ちなみに堀井社長が『PSII』を購入した5年前には「50Hzにするのは難しい」とTwitterで漏らしていたが、製品化するにあたってキッチリ50Hzに仕立てられていることからもM2の技術力の高さをうかがい知ることができる。 旧作は全てが初移植のタイトル いずれも今となっては入手困難であったり中古価格が高値のタイトルとなっていたため、今回のコレクションとして復刻されたことで、本作はパッケージ版は6,800円、ダウンロード版は4,500円と比較的に購入のハードルが低くなり、手を出しやすくなった。 『アレスタ』は過去にWiiバーチャルコンソールでMSX版が移植されていたが、セガ・マークIIIのオリジナル版は今作が初移植になる。さらに海外版である『Power Strike』も同時収録されている。 『GGアレスタ』は出荷数が少ない上、現品は箱無しでは1万円以上、箱ありで状態問わず4万円以上の値がついているが、本作に収録された事で大幅に触れやすくなった。 『GGアレスタII』は中古で1万円以上だが前作と比較するとまだ良心的。こちらも海外版仕様の『Power Strike II』(※下記のSMS版とは別物)を選択可能。 『Power Strike II』はスーパーファミコンやメガドライブ等が現役時代の1993年に欧州に向けて発売されたが、当時の日本ではマスターシステム向けの展開が既に行われていなかったため、27年越しとなる日本初上陸になった。欧州ではマスターシステム末期時代に発売されたソフトである為レア物と化しており、日本国内では逆輸入時の中古価格が3万円以上(に加え、上記のように正常に動かすには欧州版本体と50Hzに対応するモニターもしくは周波数を擬似的に変更出来るコンバーターが必要)となっていた。 新作『GGアレスタ3』のクオリティ エミュレーションだけでなく、ゲームギアの実機でもちゃんと動くように制作されている(*7)。非常に手間のかかっている新作として話題になった。 美麗なドット絵はゲームギアとは思えない程丁寧な書き込み具合である。 『アレスタ』シリーズらしいシナリオは当時からのユーザーをも納得させる出来。 BGMも「Hacking Storm」「Last Messiah」「Dogfighter」「Deeper into abyss」とゲームギアの音源を活かした名曲揃い。 単純にSTG新作としての完成度が高く、懐古層以外のSTGファンや初心者にもオススメできる内容となっている。 効果音を含めて破壊の爽快感に溢れており、簡単すぎず難しすぎずの良好な難易度でプレイ感覚がとても良い。やや初見殺しが目立つものの対処法が分かりやすく、前述のアレスタチャレンジで要所要所の練習が可能。 ゲームギア用ソフトという制約がありながら、各面ごとに趣向を凝らしたド派手な演出が備わっており、先へ進む楽しみを大いに感じさせる。 過去2作のように特殊武器が〇〇一択といったバランスにはなっておらず、プレイヤーによって相性の良い特殊武器を選ぶ楽しみを持たせている。 ガジェット 特に『GGアレスタ』はステージをクリアするまでスコアがはっきりしなかったが、ガジェットのお陰で特定の敵を倒すことによって何点取ったかなどが分かりやすくなった。 残機は10機以上エクステンドしていても9機で表示はカンストされてしまったが、アイコンを縦2列、横10列で合計20機まで表示されるようになり増減が把握しやすくなった。 今まで武器を取るまでパワーアップの効果が分からなかったが、本作は武器を取る前に確認ができるようになった。ボス戦の前に違う武器を取ってしまうなどの失敗のリスクが減った。 アイテムを取った時の無敵時間が詳細に表示されるおかげで、どの敵に何秒以内に突っ込む事が出来るかなどが考えられるようになった。 希少価値の高い資料 当時の取扱説明書は公式サイトでしか見られないが、ゲーム内のギャラリー機能により当時のパッケージや本作のイラストが見られる。特に実機でソフトを入手できても外箱はなかなか見かけないため、電子化された本作なら堪能できる。 各タイトルのサウンドトラックも収録(*8)。曲名は『アレスタ』以外GAME SOUND LEGEND SERIES 「LEGEND OF GAME MUSIC ~CONSUMER BOX~」に基づいている。 最初に音源化された方は本作の定価を超えるプレミア価格となっていることを考慮すると、この点でも非常にお買い得と言える。 『Power Strike II』は最初の音源化が60Hzでの収録であったことから原作のプログラマーであった「じぇみに広野」こと広野隆行氏がTwitterで不満を訴えた事があったが、今回はちゃんと50Hzでの音源となっている。 限定版には新作『GGアレスタ3』の設定資料集も特典として付属している。 ショットトリガーズからの改善点 シリーズの前作の『エスプレイドψ』では画面を変更するとガジェットが強制非表示になる問題があったが、本作はガジェットの一括非表示は画面の変更時に移動し、ノーマル、ドットバイドットのありかなしの各2種類になった。 ソフトの起動時のロードが速い。 ダイレクトメニューに移動するときは前作は小型メニューであったが本作は選択前のメニューに戻るようになった。 賛否両論点 バーチャルコンソールの価格を基準にした場合の割高感 評価点に挙げた通り、現品の市場価格と比較すると安いのではあるが、Wiiや3DSにおけるバーチャルコンソールの一般的な価格と比較するとやや割高な印象となる。 通常、VCではセガ・マークIIIとマスターシステムは514円、ゲームギアは286円。本作の5作分に単純換算すると1,886円、海外版を含めても2,686円。こう考えると少し高いのではという批判も存在する。 もっとも、本作の収録タイトルは実際にはバーチャルコンソールに出ておらず、M2による高いクオリティの移植が実現されており、新作やおまけ要素も収録されていることを考えると付加価値も含めての価格設定であると言える。 同じく旧作移植である『聖剣伝説コレクション』等でも、表面だけを見て同様の事柄を言われることがあるが、3D復刻シリーズやSEGAAGES等、M2が関わった仕事のインタビューをじっくり読み込むと、実際には単純な右から左のベタ移植でなく、忠実に再現するために信じられないレベルの工数が掛かっていることが窺える。それ故に「むしろこの値段で販売して利益があるの?」という感想を持たれる事が多い。 問題点 音楽を選択しても正常に音楽が流れないことがある。 後のアップデートでも改善されていない。 『アレスタコレクション』と謳っているが、シリーズ全タイトルが網羅されていない。 『アレスタ』シリーズは様々なハードで展開されていたのだが、今回はセガ・マークIII/マスターシステムとゲームギアからの移植のみに絞られている。 おそらく「ゲームギアミクロ」先行での企画となっているため、GGMで動かせる見込みの無いメガドライブや他社ハードの移植は不可能だったのではないかと考えられる。残りのシリーズ作としてはMD版「武者」は加賀電子が権利を保持しているため除外すると、MSX2版「初代、外伝、2」。SFC版「スーパー」。MCD版「電忍」の5本となっている。 後の生放送でそれ以外のハードで展開されたコレクションの続編構想がある旨の発言が出ている。 総評 入手困難になったシリーズを現行ハードへと移植し、さらに当時のプレイ感覚をほぼ完璧な形で実現した。 新規ユーザーにも取っつきやすい便利機能、マニアに感動を与える資料性、現在の市場価格から考えられるお手頃価格等が詰まった作品と言える。 今から『アレスタ』をプレイするならこれが決定版と言えるだろう。 余談 本作の発売から2年前の2018年のトークショーで「2008年に『SEGA AGES 2500シリーズ』の時から本作の構想が既にあり、『Vol.33 ファンタジーゾーン コンプリートコレクション』の後にM2社長の堀井氏は前向きに考えていたが、SEGA AGESのディレクション担当であったセガの奥成氏から同シリーズの終了を宣言された為、企画が一旦凍結された」事が明かされた。 2020年の本作発表当時、上述のトークショーを知るファンにとってはその企画が実現したことにより大きな衝撃が走ったと言う。 本作の再開のきっかけは『アレスタブランチ』にゲームギアミクロホワイトを同梱する計画を立てたがコンセプトの相性が悪かった事や開発が難航されたためとの事。 パッケージ版には限定特典のインタビュー雑誌「Aleste history」が付属。 内容は仁井谷元社長のコンパイルの更なる設立経緯や『アレスタ』の誕生経緯、名前の由来等。プログラマーである広野氏が初めて明かす『Power Strike II』の誕生経緯や当時のコンパイルの状況、武器の一新の真相。当時のスタッフがメールインタビューで明かす『GGアレスタ』シリーズ裏話を中心として盛りだくさんの内容となっている。 本作未収録の『アレスタ』シリーズ作品の短い紹介、『アレスタブランチ』の続報、広野氏の漫画もおまけに収録。 限定版付属の『ゲームギアミクロ ホワイト』のスタッフクレジットにはM2完全新規制作のミニゲームが仕込まれている。 スタッフクレジットを起動し1・2ボタンを押すとマスコットキャラクター「キャリーくん」が現れ、文字を崩すミニゲームが遊べるというもの。最終スコアに応じて全十数種類のイラストが用意されている。 何気にM2がマスターシステム仕様で作った初めての新規ゲームとのこと(M2STG生放送#4より)。 限定版には『ビッグウィンドーミクロ ホワイト』も付属している。 元々はゲームギア本体に付ける拡大鏡で、それのゲームギアミクロ対応版。ミクロは画面の異様な小ささが欠点でもあったため、これを取り付けることで大分見やすくなる。 当初はゲームギアミクロ4色コンプリートセット予約特典の数量限定商品だったため、確実に手に入るのは嬉しい。カラーも前者がブラックだったのに対し、こちらは本作限定のホワイトになっている。 2021年1月28日に『G-MODEアーカイブス ZANAC』が配信された。 旧コンパイル消滅後に権利が再整理されて以降『ザナック』と『アレスタ』が同一ハードに登場するのは初となる。 同年1月にはシリーズ初となるアーケードゲーム『戦刃(せんじん)アレスタ』が発表された。2021年7月15日にALL.Net P-ras MULTI用タイトルとして配信開始された。 ちなみに旧コンパイルから『アレスタX』のタイトルでアーケード作品をリリースする予定があったものの、企画立ち上げが旧コンパイルの和議申請と前後したため実現しなかった。 また、「戦刃」のアルファベット表記は「SEN-XIN」となっている。この『アレスタX』を意識したものかは不明であるが。
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ワールドエンド・シンドローム 【わーるどえんど しんどろーむ】 ジャンル ミステリー×恋愛アドベンチャー 対応機種 プレイステーション4プレイステーション・ヴィータNintendo Switch 発売元 アークシステムワークス 開発元 トイボックス 発売日 2018年8月30日 定価 5,907円 判定 良作 ポイント 田舎町に隠された伝承と秘密夏の海と田舎に暮らすヒロインとの交流 概要 シナリオ システム 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 生者に紛れ込んだ死者は誰だ―― 概要 「死者が蘇る」という町の言い伝えが残る、架空の田舎町「魅果町」を舞台にした恋愛ミステリー・アドベンチャーゲーム。 閉鎖的な村、部活動、伝統を信じる村人、サスペンス要素など「ひぐらしのなく頃に」のようなゲームと言えば分かりやすいだろうか? 実際にコラボもしている。 キャラクターデザインを担当するのは「BLAZBLUE」シリーズでもキャラクターデザインを手がけた「加藤勇樹」。個性豊かに描かれた魅力的なキャラクター達と、ひと夏の恋愛を体験できる。 シナリオ とある事情で田舎町の「 魅果町 」に転校した主人公は、電車内で「 音無雪乃 」という女性に出会う。女性はフリーライターで、「魅果町」を取材して記事にしたいという。 「魅果町」は百年に一度、死者が蘇り禍(わざわい)をもたらすと言われる「黄泉人伝説」と呼ばれる伝承があり、魅果高校で教鞭をとる山城香織は黄泉人伝説を元に「 ワールドエンド・シンドローム 」という小説を書き、ベストセラーになった。 その小説は地元企業の神代堂がスポンサーとなり、人気アイドル「二カレイ」が主演で映画化されることになった。 主人公は魅果高校に転校すると、その山城香織に興味を持たれ、彼女が顧問を務めるミステリー研究会に誘われ、「 楠瀬舞美 」「 神代沙也 」「 甘奈未海 」「 山田花子 」「 麻木健介 」が所属する会の一員となる。 主人公はミステリー研究会と忘れられない一夏の体験をする。 システム 物語は「序章」「本編」「真相編」に分けられる。 「序章」では主人公が転校して来て、ニチレイ主演の映画の決定、ミス研メンバーの身内との出会いが描かれる。 「本編」では「朝・昼・晩」の三回に行動パートが用意されている。 「別荘/高校/駅前/海岸通り/住宅街/森/神代邸」の魅果町の場所を移動する。移動した場所には2~3の細分化された場所がある。例えば学校は「屋上」「部室」の2つある。2~3の場所にそれぞれ移動しても1ターンしか消費されない。 主人公は出会ったヒロイン達と交流する。選択肢は少なく、ヒロインと会うと自然と好感度が上がるシステムである。 1周目は強制的にBADエンドであるが、2周目から前周で出会ったキャラのアイコンが地図に表示される。 ヒロインと出会うとヒロインの色のオーラが現れ、それ以外だと白のオーラが表示される。 「真相編」は五人のヒロインのルートをクリアすると現れる。 システム スキップ、既存スキップ、バックログというADVの基本システムが搭載されている。 ボイス 主要イベントはフルボイス、雑多なイベントはテキストのみである。 TIPS 物語の固有名詞や解説をしてくれる。 コレクション 「魅果町」を探索するとお神代堂のお菓子やのパンフレットがもらえる。 依頼 「二カレイのサイン」などを入手してくる、魅果町のクイズに答えるなどを依頼される。 評価点 シナリオ 黄泉人を中心とする人々の思いと人間の生死を扱ったシナリオは高評価。 「死」という重い内容ではあるが、王道的で明るめな男女サークル物と田舎町の探索が挟まれるので、それほど重くなく、読み進めることができる。 一方でヒロインのエンディングをひとつずつクリアしていくことで、ルートが徐々に解放され、ヒロインたちとの甘い恋とミステリー要素が紐解かれていく展開に、多くのプレイヤーから評価されている。 各ヒロインルートの結末は衝撃的。後述の問題点も生まれてしまうものの、これらの演出により真相が知りたくなり、ゲームにのめりこむようになる。 また、行動パートでは1周目で偶発的に出会ったキャラも、次の周では意外な場所で会うことが多い。そのキャラの個別ルートへ行くと、「なんでこんな所にいるんだ?」と疑問に思った点が分かるという一度で二度美味しいシナリオである。 グラフィック 水が流れる、風車が回るなど、動く背景により、風景の作り込みも非常に良く評価される。特に海辺の波や、駅前の柳などは環境音の臨場感も合わさりとてもリアルである。 伏線 真相編では各ルートで謎だった真実が明るみに出る。各所にちりばめられた伏線及び回収、複数の謎を層にして重ねたストーリー展開どちらも完成度が高い。おかしい動きをしていた者、表情・行動が不自然な者、不自然な言動などの態度が明らかになる。 各ルートに巧みに隠されており、もう一度プレイするとにやりとできる部分が多い。 特に最後の残された伏線はプレイヤーに感嘆を与えてくれると高評価である。 キャラクター よくあるギャルゲー無個性主人公…ではなく、実は細かい背景がある。彼の言動や行動も伏線となっている。 キャラクターデザインは評価が高い。キャラ一人一人の向きや、口パク、目パチ表情など細かい挙動が合っていて雰囲気が非常に良い。 ギャルゲーだけあってヒロインキャラの魅力は十分。さらにそれぞれ秘密があり、それを知るためにシナリオに興味を惹かれる。 王道的なキャラ設定の中に本作のオリジナルの背景が詰められており、魅力的である。清々しい純愛で初々しい物語が描かれる。 デート、キスシーン、海水浴といった王道的な恋愛イベントも用意されてる。 ついでにサービスシーンも。 脇役も魅力的なキャラが多く、特に親友枠の健介の存在は重いシナリオを軽くしてくれる。 夏の田舎町の散策 町の探索は非常に楽しい。まるで夏休みに田舎町に遊びに来たような感覚で探索できる。 見どころも多く、神社や自然、海、ホテルなど名所があり、都会の喧騒を忘れさせてくれる居心地が良い世界観である。 モデルとなった町があるなら行ってみたいという声も多い。 音楽・OP BGM・OP共に評判が良い。 OPは歌詞の内容と本作が非常にマッチしている。クリア後に聞くと、感慨深いものになっている。 BGMは落ち着きのある優しい雰囲気の物が多く、田舎町の風景と組み合わさっている。 コレクション・依頼 ヒロインルートとは違う行動をとる必要があり、ちょっとしたサブイベントとして本編の塩梅となっている。 裏設定もあり、本編の補足でもある。 賛否両論点 TIPS 「428 ~封鎖された渋谷で~」などのゲームで登場するシステムであり、解説あり、笑いあり、雑学ありで楽しませてくれる。 一方、他のゲームと違い、TIPSで説明したことをキャラに再び説明させる部分があり、少々テンポが悪い。 主人公の過去 物語の肝である主人公の過去であるがその内容に賛否。 + 内容に関する詳細(ネタバレ) ネタバレにならない程度に話すと「主人公のせいで姉が事故死した」という物。 主人公自身も後悔しているが、「この世界なんて滅びてしまえ」などと悪態をつくこともあり、プレイヤーに不快感を与えることも そもそも原因の事件も、そんなことをするヤンチャな人格でもないので、「姉を助けるため仕方なく」などの設定にした方が良かったのではないだろうか? 展開が少々早い 夏休み一ヶ月の間の話であり、この間にヒロインと仲良くなり付き合う。ほとんどのヒロインの主人公に惹かれていく過程の描写が少ないため、急にヒロインが主人公のことを好きになっている、と感じるプレイヤーも存在する。 サスペンス要素は少なめ サスペンス・ホラー要素は後半に集中しており概ね全体の20%ほどである。 そのためサスペンス要素に期待すると肩透かしになる。 問題点 難易度が高い 近年のADVにしては難易度が高い。各キャラのルートに行くには、各キャラがいる場所に行って好感度を上げる必要があるのだが、ヒロインを見つけることは初見だと ノーヒントである 。ヒロインの行く場所を推理しなくてはならない。無論、誰もいない場所に行っても、 セーブ&ロードでしかやり直しもできない。 2周目から出会ったヒロインのアイコンが地図に表示されるが、攻略が終わったヒロインが表示されるだけなので、根本的解決にならない。 せめて2周目からは全てのキャラの行動を見られるようにしても良かったのではないだろうか? 攻略対象外の女性キャラがチラホラ 大人の女性が登場するが、一部を除いて彼女たちは攻略できない。 魅力的な女性キャラなので残念。 取り返しのつかない要素 あるヒロインのパートに行くと、取れなくなるTIPSがある。 2018年12月10日に配信されたパッチ(Ver1.01)で修正済み。 エピローグ 真相編が終わってのエピローグであるが、あんまり評価が良くない。 ようするに海外ドラマの最終回にありがちなクリフハンガー(*1)。 一応、続編の存在は示唆されている。詳しくは、後述の余談にて。 テンポが悪い いちいち日付が表示される、日の終りにセーブをいちいち聞かれるなど、テンポが悪い部分がある。 セーブが任意でできない。 現代ADVでは必須である好きなタイミングでのセーブが出来ない。選択肢の前にセーブしたいと思っても出来ず、一日前からやり直すしかない。 前のセーブに戻りたい時も、一度トップに戻ってから「続きから」を選ばないといけない。 一部キャラの立ち絵がない、物寂しい部分がある。 + 各ヒロインルートの結末(ネタバレ) 各ヒロインルートの結末は、真相編に繋がる1人を除きBADエンドである。 そこにも伏線と謎があるので仕方ないのだが、メイン以外のヒロインとも恋人としてエンディングを迎えたいというユーザーも存在する。 総評 田舎町を舞台にしたサスペンス・恋愛ADV。独特な雰囲気の田舎情緒溢れる夏の雰囲気が楽しめるだろう。 余談 ディレクターである金沢十三男氏から、続編『ワールドエンド・フェノメナン』の存在が示唆されている。 2023年末の個人Xによると諸事情で今は具体的に作れず、本作と世界線を共有する違うミステリー作品を制作中とのこと。
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美少女戦士セーラームーン 【びしょうじょせんしせーらーむーん】 ジャンル ベルトアクション 対応機種 アーケード 販売元 バンプレスト 開発元 ガゼル 稼動開始日 1995年3月22日 プレイ人数 1人~2人 判定 ゲームバランスが不安定 ポイント セーラー戦士が低性能序盤から殺す気満々のゲームバランスハメて余裕ハメなきゃ即死の世紀末至高のカットイン。キャラクターゲームとしては◎未使用データ多数 美少女戦士セーラームーンシリーズリンク 概要 操作方法・ゲームシステム プレイヤーキャラクター 問題点 評価点 総評 余談 大量の未使用データの発覚 概要 バンプレストから発売のベルトスクロールアクション。言わずと知れた大人気国民的アニメ『美少女戦士セーラームーン』をもとにしたキャラクターゲーム。 開発を担当したのは、東亜プランの遺伝子を継いだ会社の一つであるガゼル。 稼働開始時はアニメはスーパーズまで進行していたが、本作のストーリーは無印(ダーク・キングダム編)をベースとしている。 SFC版・MD版と同じく5人のキャラクターから1人を選んでステージを攻略していく。2人プレイ可能。 操作方法・ゲームシステム 基本的な操作方法やシステムは『ファイナルファイト』系と同じ。別会社による作品のため、同ジャンルの他のセラムン作品にあった飛び道具システムやプレイ評価はなくなっている。 ダッシュやMD版にあったダッシュジャンプが可能。攻撃ボタンを押すことでダッシュ攻撃へと派生する。 クリスタルを拾い集めることで強力な全体攻撃である『必殺技』を放つことができる。このシステムはSFC版に近い。 クリスタルの数によって演出と威力が異なり、それぞれに派手なカットインが入る。 プレイヤーキャラクター 本作ではキャラクター間の攻撃力と防御力の差は無く、判定の広さといった部分で差別化している。 月野うさぎ(セーラームーン) 本作の主人公。主人公らしく中性能なバランスタイプなのだが、攻撃のリーチが短い割りに隙の大きめな技ばかりでかなり使いにくい。おそらくクリア最難キャラクター。 水野亜美(セーラーマーキュリー) 移動速度が速いスピードタイプ。連打攻撃の一段目は比較的良性能でパンチハメ(後述)は行いやすい。しかしジャンプ攻撃の判定が狭かったり掴み蹴りと投げの隙が大きかったりするので、他キャラクター以上に喰らわない立ち回りを要求される。クリアは難しめ。 火野レイ(セーラーマーズ) ムーンと同じくバランスタイプ。こちらは比較的リーチが長く、やや隙の大きい連打攻撃に気をつけさえすれば、ムーンよりはるかに使い易い。5人の中では中程度の強さを持つキャラクター。 木野まこと(セーラージュピター) 各種攻撃のリーチが短いが、その分最後まできちんと連続攻撃が繋がる。使いこなせば楽な方。 愛野美奈子(セーラーヴィーナス) ジャンプ攻撃が強力。地上連打攻撃の性能も平均以上に良く、リーチ・隙のなさも及第点。1コインクリアに最も近いキャラクターと言われている。 問題点 ベルトアクションゲームの多分に漏れず、とにかく難易度が高い。闇雲に攻撃するだけでは最初のマップでも普通にゲームオーバーに成りうる。 少女でもクリアできるとか、キャラクター目当てのライト層が楽しめるとかそんな次元ではない。緻密な攻略法とプレイヤースキルが要求されるコアユーザー向けである。 プレイヤーキャラクターの性能が低い。いわゆる「出し得」な技が存在せず、常に紙一重の戦いを強いられる。全体的に見てプレイヤーキャラクターの攻撃力が低めで、敵の攻撃力が高めに設定されているのも一因。 こちらのジャブ攻撃はリーチが短く、ただ連打しているだけだと間合いの外から一方的に殴られる。攻撃を当てるためには相手との位置取りが重要になる。 キャラ固有のラッシュ攻撃は華麗であるが、その分一発の威力が低くフィニッシュまでに時間がかかる。悠長に攻撃を繋いでいてはすぐに取り囲まれてボコボコにされる。 このジャンルでは頼りになるはずのジャンプ攻撃だが、意外と判定が弱くあっさりと潰される。とりあえず飛び蹴りで転ばせて仕切りなおすという方法は本作では取りにくい。 ダッシュ攻撃もこれまた弱い。リーチも発生も判定も弱く、逆に返り討ちにあう可能性大。これで敵の大群に突っ込むなど自殺行為にも等しい。 ザコ敵の数が多い。 ACの性能を見せ付けるかのように四方からザコ敵がうじゃうじゃと湧いてくる。1画面に5体以上は当たり前。前述のようにセーラー戦士はかなり弱いので、蹴散らすだけでも一苦労。もちろんリンチされればそのまま死が見える。 ボスが強すぎる。 攻撃力もさることながら、各種行動の無敵時間が嘘のように長い。こちらの攻撃力が低めなので、結果的に耐久力まで高くなっている。正攻法で勝てるボスは存在せず、攻略法の確立(ぶっちゃけハメパターン探し)が必須になる。 最初のステージから2体のボス(アニメでは中盤に登場したはずのカストル ポルクス)が登場してくる上、移動・攻撃方法がトリッキーでどういう所に隙があるのかが分かりにくい。一見で見極められる人はそういないだろう…。 なお、原作・アニメで最初に戦った妖魔であるはずのモルガは何故かステージ2のボスに回されている。 アイテムが少ない。 回復アイテムやクリスタルは敵がランダムで落とすものを拾うのが基本であり、固定のアイテムはほぼない。 回復量も少なく体力の2~3割程度しか増えない。常にジリ貧の状態が続くことになる。 特定のボス戦で現れる「タキシード仮面」が投げてくれる薔薇は体力全回復の効果があり、まさに命綱。しかしボスの右側に置かれるので拾えない場合がある。こういった数少ないプレイヤー有利なギミックを逃さず、損をせずに使い切る精密さが求められる。 制限時間が短い。 1場面ごとの制限時間はわずか1分間であり、特定の地点まで進むと制限時間が延長されるが、明らかに時間が足りない。常に急いで敵を打破していかないと、とてもではないが間に合わない。この仕様が高難易度ゲーに更に拍車をかけている。 本作のストーリーデモはステージ2クリア時に流れるもの以外は一切ない。最終ボス撃破後もエンディングデモはなくスタッフクレジットのみと非常に淡泊。このため、前提として原作・アニメを知らないとストーリーはほぼ分からない。 唯一流れる2面クリア時デモにはダーク・キングダム四天王のジェダイトが登場し、「このジェダイトにお任せを」とセーラー戦士の始末を宣言するものの、彼はゲーム本編では一切登場しない。 本作で戦う四天王はゾイサイトとクンツァイトのみ。ネフライトに至っては、明らかにアニメ版で彼が登場する話を意識したと思われるステージが存在するにもかかわらず影も形もない(*1)。おそらく開発期間の関係で四天王全員を登場させられなかったものと推測されるが……。 評価点 グラフィックが素晴らしく綺麗。ドット絵の美しさもさることながら、特に必殺を使うときに表示されるカットインアニメは秀逸。 カットインはアニメ版のバンクシーンや雰囲気をそのままに再現しておりファンからの評価は非常に高い。 演出シーンが凝っている。 捕まったクラスメート達や、いちいち登場するタキシード仮面など再現度は折り紙つき。またステージ3ボスがタワーに昇るまでの演出は特に評価が高い。 ただしストーリー表現に関しては上記の通り、2面クリア時に文章付きのデモが挟まれる程度しかないため、原作・アニメを知っている人向けとなっている。 キャラクターのモーションが可愛い。顔のグラフィックも様々な状況に応じて色々と変化する。 攻撃もさることながら、やられシーンまでも非常に凝っており、スタッフの力の入れようが窺える。感電・黒コゲなどの変化も綿密に描き込まれていて、一部の攻撃を受けたときにしか見られない隠しモーションも存在する。 キャラクターの性能に難はあるもののパンチハメは可能。これさえマスターすればある程度突き進むことはできる。 操作キャラクターを後ろに振り向かせるだけで、パンチ連続攻撃の段階が初段に戻るため、操作がしやすくなっている。 制限時間の問題があるので、積極的に狙わないときつい部分もある。 特殊技も少々勝手が悪いだけで使いどころがないわけではなく、危険な状況で出さなければ問題なく役立ってくれる。 ボスは確かに強敵揃いだが、それぞれに明確な攻略法が存在する。パターンに持ち込めばノーダメージも可能である。 総評 セーラームーンのアクションキャラクターゲームとして見ると作りこみは素晴らしく、傑作のレベルである。 しかし一見さんお断りとも取れる高難易度はどうしようもなく、万人向けとは言い難い。 ただベルトアクションゲームとしてまともに攻略ができる程度の余地は残されており、攻略法を研究してやり込んだ硬派なユーザーにとっては評価はそこそこ高いようである。 ガゼルと言えば、高難度のシューティングゲームを製作するイメージが強いが、ベルトアクションゲーム全般が高難度傾向にあったとはいえ、本来想定された原作視聴者層に向けた内容になっていないのが悔やまれる作品であった。 余談 原作を連載していた「なかよし」の最新ゲーム紹介コーナーで本作が紹介されていた。難易度が完全にヘビーゲーマー向けで女児向けではないとは言え、連載中の漫画を原作とした本作の紹介はしなければならなかったのだろう。 本作はその日に多く使用されたキャラクターランキングが表示されるのだが、アニメ版で人気のあったマーキュリーが高いランクを獲得していた。 おバカか気が強いか、その両方か(*2)のセーラー戦士たちの中で、マーキュリーは「か弱さ」があったので、大きなお友達からの人気が一番高かった(*3)。余談だが「大きなお友達」と最初に言いだしたのはマーキュリー役の声優だとされる(*4)。 本作のBGMは使用料を抑えるためかアニメ版のBGMは一切使用されていないが、似た雰囲気の作りとなっておりタキシード仮面登場時やエンディングは非常にそれらしい曲が流れる。 難易度の設定がやけに多いが、変化するのは敵の体力値のみ。 最も簡単なエクストライージーではほとんどの敵が1コンボで倒せるくらいにはなるので、ベルスクに慣れた人ならさくさく進める難易度になる。 1996年放送の特撮番組「ビーファイターカブト」の第3話において、本作が劇中でプレイされているシーンが映っている。 劇中では対戦格闘ゲームという扱いにされていた。 MOSSの社長である駒澤敏宣氏によると「やりきれない状態(*5)なのでグラフィックを手伝ってほしいとバンプレスト経由で依頼が入り、うちも開発を手伝った」旨の証言がある。 大量の未使用データの発覚 有志によってデータが解析された結果、多数の未使用要素が発掘された。 下記の通りあまりにも未使用要素が多いことから、本作のスタッフの間で納期絡みのゴタゴタがあり、それが全体的な出来に影響した可能性が高い。 本編未搭載のエンディングデモ(しかも全員生還のハッピーエンド) 本編未登場だったルナやアルテミス、ネフライトのグラフィック なるとネフライトの絆に関するイベントの搭載を思わせる未使用グラフィック 必殺技における、アニメーションのカットインとは別に用意されていたと思われる専用モーション ストーリーデモ用の多数の顔グラフィック 大量の未使用ボイス・SE(セーラー戦士やタキシード仮面に加え、未登場のルナのものもある) 2P、3Pのアイコン(最大4人プレイを想定した?) また、ゲーム雑誌に掲載された開発中の画面写真も後に発掘された。 その画面写真にはテティスの部下の海水怪人も登場している。こちらに至ってはグラフィックのデータごと削除されている。 データ上に存在するものの未使用になった銀行前のステージの画面写真などもあり、そこにラウンド5に登場した覆面の雑魚敵を引き連れているセーラーVの姿がある。 開発中バージョンのキュレネ戦の画面写真も発掘され、製品版では未使用になったキュレネの技が映っている。またその画面写真にはジュピターの未使用モーションも映っているが、これはおそらくクリスタル2個で発動するジュピターの必殺投げのものと思われる。 開発中の画面写真ではライフバーが製品版より長めになっており、この長さであればゲームバランスも多少はマシになっただろうが、これに関しては回転率の事情も絡んでいるのかもしれない。 + プレイ動画等 http //www.nicovideo.jp/watch/sm2373509http //www.nicovideo.jp/watch/sm6132879http //www.nicovideo.jp/watch/sm6137612http //www.nicovideo.jp/watch/sm5058379http //www.nicovideo.jp/watch/sm5059061
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りんたろー。とワニの村 【りんたろーとわにのむら】 ジャンル アドベンチャー(公式ジャンル 野田ゲー) 対応機種 iOS 9.0以降Android 4.1以上 発売元 吉本興業 開発元 よしもとゲームズ新宿ロケッツ 発売日 【iOS】2020年10月30日【Android】2020年11月9日 定価 250円(税込) プレイ人数 1人 レーティング 【iOS】4歳以上対象【Android】16歳以上対象 判定 なし ポイント 野田クリスタルが作成したEXITのADVゲーム良くも悪くも野田ゲー死に覚えゲーなのにセーブ/ロード一切無し 野田ゲーシリーズリンク 概要 特徴 評価点 賛否両論点 問題点 総評 余談 概要 吉本興業所属のチャラ男キャラで知られるお笑いコンビ「EXIT」を題材としたアドベンチャーゲーム。 本作は同じく吉本興業所属のお笑い芸人で、当時R-1ぐらんぷり 2020で優勝したことにより、それなりに知名度の上がってきたマヂカルラブリーの野田クリスタルが勝手に作成したゲーム(通称「野田ゲー」)であり、吉本興業から発売された。 本作には課金要素は一切なく、完全買い切り型のゲームとなっている。 企業パブリッシングされた野田ゲーは『すごい事になりそうだ!!組体操合戦』に次いで2作目となる。 特徴 本作のストーリーは簡潔に書くと「ローカル番組でアマゾンの奥地にロケをしにいったEXITがワニの村に遭遇し、ワニに捕まったかねちー(兼近)をワニと勘違いされたりんたろー。が救い出す」というもの。 システムは文章を読み進めながら、選択肢をタップで選んでいくというかなりシンプルな内容。 エンディングはマルチエンディングとなっている。 エンディングではないが、選択肢を間違えると即ゲームオーバーとなる場面が多く、ゲームオーバーの回数もカウントされる。 評価点 EXITのゲームとしては意外と堅実な出来 一見謎すぎる内容故にEXITの人気に便乗しただけのゲームと思われる方もいるかもしれないが、そんなことはなくEXITのキャラクターをしっかりとゲーム内に反映させている。 カメラが回っている間はチャラいが、スタッフに対する姿勢は真面目であるなど、ちゃんとEXITの人柄を再現している。 ボケ担当のかねちーこと兼近大樹がベビーシッターの経験がある、ツッコミ担当のりんたろー。が老人ホームで介護のアルバイトをしていたことなど、妙にマニアックなことまでゲーム内に組み入れている。 この辺りの造り込みはやはりEXITと同事務所に所属している同業者といったところである。 賛否両論点 謎すぎるストーリーと設定 本作のストーリーは特徴に書いた通り、どこからツッコんでよいのかわからないほど意味不明なものとなっている。 正直このストーリーなら主役がEXITである必然性があまりない。強いて挙げるならりんたろー。がワニ顔であることくらい。 野田ゲー自体このようなヘンテコな内容のゲームであることが多いので、「EXITのゲーム」として見るか、「野田ゲー」として見るかで感想が変わるところ。 グラフィックがやや雑 EXITの2人はイラストの体に顔写真がつけられたものと少々雑。 そしてワニに関しては実写のワニの顔に人型の体のイラストと雑コラにも見えるような珍妙なビジュアルをしている。 「企業が有料で販売したゲームとしては雑すぎる」と否定的に捉えるか、「野田ゲーなので仕方ない」「雑過ぎて笑えてくる」と肯定的に捉えるかは人次第。 問題点 セーブ/ロード機能一切無し 前述した通り本作は選択肢を間違えるとゲームオーバーとなる場面が多く、エンディングもマルチエンディングとなっているのだが、本作にセーブ/ロード機能は一切搭載されていない。 「麻酔銃をかねちーに撃つ」など、明らかにゲームオーバーになるとわかっていても、ついつい選びたくなってしまう選択肢もあるので、ゲームオーバーのパターンを網羅したい人だと、なおさら不便に感じてしまう。 一応、最初のプロローグの選択肢を突破した後は、プロローグを飛ばしてプレイできるように配慮されているが、初回プレイ時にプロローグで選択肢を間違えてゲームオーバーになってしまったら、またプロローグを見直さなくてはならない。 一人の芸人が提案した低価格ゲームであるという事情を含んでも2020年のADVとしては、かなり不便。 ボリューム自体は比較的少なめなので、そこがせめてもの救いか。 スキップ機能もない 上記の通りゲームオーバーになると最初からやり直しとなるのだが、同じ選択肢へと戻るためには何度も画面タップをし続ける必要があり不便。 フラグを確認できない エンディングに辿り着くにはしっかりとフラグを立てておく必要があるのだが、そのフラグ(手に入れた持ち物など)の確認ができない。 ゲームオーバーになると当然それまでのフラグも消えて最初からやり直しとなるので、前述のセーブ/ロード無しという仕様と合わさって、フラグ管理が面倒。 総評 作風に関してはいつもの野田ゲーと言った感じで、野田ゲーファンなら馴染み深い内容となっている。 しかし、マルチエンディングの死に覚えゲーでありながら、セーブ/ロード機能が一切無いというのはかなり不便であり、その他システム面の不備も合わさって、手放しで良ゲーとは言い切れない。 定価は250円と低価格であり、ボリュームも少なく手軽にサクッと遊べる内容ではあるので、EXITや野田クリスタルのファンであれば遊んでみても良いかもしれない。 余談 App Storeではジャンルが堂々と「野田ゲー」として表記されている。 iOS版のリリース直後は謎の人気が出て、App Storeのカジュアルカテゴリのランキングで1位となった。 ゲームカテゴリでも2位と上位を獲得。1位は『Minecraft』なのでかなりの大奮闘と言える。 ゲームそのものの問題点ではないが、EXITに無許可で作成したゲームを、低価格とはいえ有料で販売するのは、よくよく考えると一大企業が販売する商品としては結構アレだったりする。ギャラなどはどうなっているのだろうか……? 吉本の場合前例があるので余計に心配である。 とはいえ30年近く前の上述の作品とは違い、今作は「同じ事務所の先輩が売れっ子の後輩の名前を勝手に使ってゲームを作った」というある種の芸人同士の内輪ネタでもあるため、少なくともりんたろー。からは怒られておらず、今のところ大きなトラブルにはなっていない。 本作のトゥルーエンドで見ることができるクレジットには吉本興業傘下の会社「よしもとゲームズ」と野田クリスタルの名前が表記されており、これらが開発元だとわかる。 しかし、野田クリスタルは某テレビ番組で「『りんたろー。とワニの村』は外注」と発言しており、野田クリスタル自身が開発したわけではないらしい。 あくまでもシナリオの作成や企画の提案などを野田クリスタルが行い、それを元によしもとゲームズが開発したということなのだろう。
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クロックス 【くろっくす】 ジャンル 落ち物パズル 対応機種 ファミリーコンピュータ ディスクシステム 発売元 徳間書店 書換開始日 1991年4月19日(書換専用) プレイ人数 1~2人 定価 500円(片面) 判定 良作 ポイント 地味ながらオリジナリティの高い落ち物パズルもしイメージキャラがいたらシリーズとして大化けしたかも? ファミマガディスクシリーズ 概要 内容 評価点 問題点 総評 その後の展開 概要 当時発行部数トップを誇ったファミコンゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』(ファミマガ)創刊100号を記念して発売された『香港』に始まる『ファミマガディスクシリーズ』第4弾。 コンセプトは「簡単だけどハマるゲーム」という形で一般公募された「ファミマガディスク大賞」で採用されたもので、『オール1』と同じく第1回大賞受賞作品である。 本作は『テトリス』のような落ち物パズルゲームとなっている。 内容 システム システム自体は非常にシンプルなもの。 フィールドは7列x11段で、中央の列の上部から丸いブロック(本作ではクロックピースと呼ぶ)が1個ずつ落ちてくる。 クロックピースの中には、アナログ時計の盤面のように中央から放射状に2本の線が描かれている。2本の線が成す角度は「45°(∠)」「90°(└)」「135°( 〉)」「180°(|)」の4パターンあり、落下中に45°刻みで回転可能。 この線を繋げていき、1本の輪が出来上がるとその輪を構成するクロックピースと、それに囲まれた内側のクロックピースが全て消える。 その上に積まれていたピースはそのまま下に落ちるので連鎖も可能。 消されたピースの数、連鎖などにより獲得点数がアップする。特に連鎖は1連鎖増えるごとに獲得点数が倍化(例・4連鎖では4倍)するので大きい。 ブレイク機能があり、ドロップ時に不要なクロックピースを上から潰すことができる。 回数限定で、初期状態では3回。レベルが上がると同時に3ずつ追加され最大30回分までストックできる。 ゲームモード モードA 何もない状態からスタートして、ゲームオーバーまでハイスコアを目指すエンドレスモード。 モードB 初期配置されている、青い線が入った「ブルークロックピース」を全て消すことができればクリア。 全50面構成で、全てクリアするとエンディングとなる。 VERSUS 2Pによる対戦モード。 このモードでは連鎖や大量消しすると、相手側の床を上げたりする攻撃ができる。また自分の床が上がっていると、それを下げたりする効果がある。 また大量消しでなくとも、何かしら消すと相手の今操作しているクロックピースが消せるので、あと1つで消せる状態をいくつも作っておくのも手。 評価点 コンセプトの通り「シンプルだけどハマるゲーム性」 落ち物パズルの代表格「テトリス」同様、ルール自体は単純でも、スピードや技術介入によるハイスコアなど、落ち物パズルの醍醐味を網羅している。 また上まで詰まったらゲームオーバー(負け)というスタイルも、既存のパズルで築かれたスタイルの1つであるため分かりやすい。 分かりやすくて、且つ独自性もバッチリ。 1列埋めて消す『テトリス』、縦横斜めに3つ繋げて消す『コラムス』、形を問わず4つ以上繋げる『ぷよぷよ』、消すべき対象が空中に初期配置された『ドクターマリオ』などそれぞれ特色があるが、そのいずれとも被らない線を繋げて囲むというゲーム性。 シンプルながらスピーディーに盛り上がれる対戦モード。 連鎖もよし、単調な形(真四角等)でも、とことんスピードで大量に中を埋めて、一気消しもありといった具合に多彩な攻め方ができる。 多彩なゲームモード。 この頃にしては珍しく、ハイスコアをとことん突き詰めるエンドレス、ステージクリア、対戦といった具合に3パターンものモードを持っている。 そのため、幅広い楽しみ方を生み出している。 BGMが全体的に良い出来。 時計やパズルの雰囲気によく合っている。 また、ある程度まで高く積みあがると緊迫感のあるBGMになるのも、プレイヤー心理との巧みなシンクロになっている。 問題点 意図せずブレイクを使ってしまいがちになる。 ゲームボーイの「対戦型テトリス」の感覚でプレイしていると、ついドロップする要領で下を押し続けてしまうことが多い。 使う必要もないのにムダに使ってしまったり、必要なはずのピースを消してしまったりというミスが出やすい。 ブレイクが1つでもある時は、設置時敢えて下ボタンを離す必要がある。 対戦時の攻撃が相手側の底の高さ上げのみというのは、少々単調すぎる感も否めない。 総評 落ち物パズルの始祖『テトリス』に対して「時計の針のように角度のついた線を繋いで囲む」というゲーム性、連鎖の概念、大量消しによる高得点など大きく差別化することに成功。 同時にハイスコア追求、ステージクリア、対戦といった幅広いプレイスタイルを網羅し「シンプルだけどハマるゲーム性」を構築できており、『テトリス』に対しても決して劣らない完成度の高さ。 ロムカセットよりも容量の少ないディスクで、しかも片面というハンデを微塵も感じさせない。 残念なのは、ただでさえ衰退著しかったディスクソフトでの発売で、更にスーパーファミコンも発売後ということでファミコンの方も衰退期だったので、あまり知名度がなかったことに尽きる。 更にキャラ要素が全くないのも見た目の地味さに拍車をかけた。これに『ぷよぷよ』のアルルのようなキャラクターが伴っていれば一大シリーズに大化けしたことも十分に考えられただろう。 その後の展開 半年後に第5弾『ぷよぷよ』が発売。 これはコンパイルとのタイアップ企画として発売された(1993年にロムカセット版も発売)。 コンパイルからの声掛け以外に、第2回大賞受賞作品が不在だったことも理由とされる。 本作発売とほぼ同時期に第3回コンテストが募集開始となったが、名称が『ディスくんゲーム大賞』と改名された。 同時に、これまでと異なり「ディスくんを主役にしたゲーム」という応募テーマが設定され、受賞作品が1992年に第6弾『じゃんけんディスク城』として発売された。